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『もうすこし君が成長したら.僕の元へ来てくれるかい-----・・・?』
『うん!蘭.約束.守るよ!』
『ありがとう蘭....僕.....待ってるから-------・・・・・・・・』
ぱちッ......
蘭『また....このユメ.......』
幼い時から.誕生日の夜に必ず見る夢----・・・・・
私はその夢の中で.少年と『約束』をしている......
不思議な事に.己も、相手の少年も、毎年夢の中でも成長しているのだ.....
【運命の相手】----・・・・・
いや...私はそうゆうのを信じるタチではない......
蘭は起き上がり、就寝ようの浴衣をするりと脱ぎ捨てると、学校の制服に着替え始めた
シュル.....
襟元を揃えている途中.それとなしに鏡に眼をやった
そこに映っているのは、無表情な私------・・・・・
蘭が己の耳に髪をかけると、キラリと光る赤いピアスが輝いた
蘭『.........赤.....』
赤は好きだ.....
赤は....."血"の色.......
蘭は思い直すように溜め息一つつくと.その長く美しい漆黒の髪を下ろした
こんな事を考えているような私が、【運命の相手】とやらに興味を示すはずはない....
でも....
蘭『....逢って....みたい....』
毎年夢の中でしか出会えない少年.......
何においても満足しない、興味を持てない私が、唯一知りたいと思った少年----・・・・
蘭は静かに眼をふせ.ゆっくりと顔を上げた
....鏡に映っているのは、ほほ笑んでいる少女----・・・・
コンコンッ
蘭『良くてよ....』
蘭が返事をすると、待ち構えていたかのように.メイドやら執事やらがずらりと入って来た
『おはようございます。蘭様』
蘭『えぇ。おはよぅ』
蘭はにこやかに答えると、大広間へ向かうべく、歩み出した
蘭『...........』
また.一日が始まる.....
なんの代わりばえもしない、退屈な日々.......
私の居場所は、ここには.ない......
君に....会いたい-----・・・・・
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