花の乙女たち

すみれの花びら

笑いあいながら遠足の話をする二人に、真珠はおずおずと訊ねた。

「遠足って何ですか～?」

瑠璃も同じく思ったようで、二人の方を向き、顔を縦に振っている。

「そういえば、真珠さんと瑠璃ちゃんは転校生だもんね。知らなくて当然だね」

「毎年、五月の半ばくらいに全学年で遊園地に行くのが恒例なんだ。頭のいい学校な割に、こういうレジャー系の行事が多いんだよ」

龍太郎と香奈の言葉に真珠は、顔をキラキラさせている。

恐らく、そういった行事が好きなのだろう。

しかし、瑠璃は真珠とは対照的に、あまり嬉しくなさそう……むしろ嫌そうな顔をしていた。

「ああ～。瑠璃ちゃんは賑やかなのより、少し落ち着いたとこのほうが好きですもんね～」

「確かに、瑠璃は遊園地で遊んでるより映画館とかで黙々と映画を見てるほうが似合いそうだよね」

真珠の言葉に頷き、少し想像して笑っていたら、瑠璃に睨まれてしまった。

……むしろ可愛かったが。