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結局、あの後に瑠璃を起こして、真珠を立ち直らせるのに二時間もかかってしまった。
真珠の暴走を止めるのに、龍太郎秘蔵の限定版写真集(すみれの)を使った。
そのおかげで、完全とまではいかずとも、ほぼ元に戻すことが出来た。
ちなみに、今日の晩御飯は、ご飯、キャベツの千切り、味噌汁、キャベツの千切り、サンマの塩焼き、キャベツの千切り、キャベツの千切りだ。
食事中は、会話が盛り上がることは無く、延々とキャベツを噛む、歯切れのいい音だけが響いていた。
「キャベツ、明日から買わないようにしよう!!」
龍太郎が突然テーブルを立ち上がり、一人声を高々に宣言した。
真珠と瑠璃はその言葉に、苦笑いしか返してくれなかった。
「はあ~。しかし、なんですみれちゃんはいきなり引退なんてしちゃったんでしょ~?」
食事が終わり、片付けもしてしまった後、真珠はまたすみれの話をし出した。
龍太郎がホットミルクを二人に渡しながら答えた。
「忙しすぎて辞めたくなったとかじゃない?……はい」
「ありがとうございます~。でもでも、すみれちゃんに限ってそれはありません~」
しかし、真珠はまだ納得がいかないのか、仕切りに首を傾げている。
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