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「……恋愛」
「まさかっ!!そんなっ!!私のすみれちゃんに限って!!」
瑠璃がポツリと言ったことに、真珠はテーブルを両手で叩いて立ち上がり、普段の彼女からは想像出来ないくらいはっきり猛抗議した。
「私の、ではないですよ」
「……」
「……」
龍太郎の発言を聞き流し、睨み合う二人。
発言を流され、若干涙目な龍太郎。
なんとも言えない空気のなか、今日の一日は過ぎていった。
「龍太郎聞いた!?すみれちゃん、引退だって!」
三島すみれ引退のニュースは、ほぼ全校生徒に伝わっていた。
龍太郎達が通学路を歩いていると、すれ違う人はみんながみんな、その話をしていた。
テレビは、月九ドラマしか見ない香奈さえも、知っているという盛況ぶりだった。
龍太郎は香奈にニュースを知っていることや、そのニュースを聞いて、真珠が大暴走したことを話した。
「それは災難だったわね~。真珠さんもすみれちゃんのファンだったんだ」
香奈は苦笑いを浮かべているようで、龍太郎もつられて苦笑いした。
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