すみれの花びら

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無事授業は終わり、放課後になった。 美和が「三島すみれ引退には驚いた」と残念そうに言っていたので、やはりすみれの引退騒動は、相当な反響があったらしい。 龍太郎が、今日も喫茶店で何か食べて行こうとしたが、郁馬は部活で、香奈は所属している保健委員会の集まりがあるらしく、行けないとのことだった。 真珠と瑠璃を誘おうとしたが、二人とも、近々行われる遠足の詳しい話を聞くらしく、龍太郎は結局一人で帰ることになった。 速く家に帰っても、特にすることが無いため、ポン吉に寄って、キャベツ以外の野菜を買うことにした。 一人で帰る通学路は、酷く味気なく、淋しさが募る。 少し懐かしい淋しさを胸の奥にしまい込み、ポン吉へと向かった。 「タイムサービス!!こちらの椎茸、一パック五円!!」 タイムサービス、それは主婦の戦場。 残念ながら主婦ではない龍太郎は、おばちゃんパワーに若干押されつつも、椎茸獲得の為に体を張って最強の壁に突っ込んでいた。
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