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龍太郎は吹き飛び、立ち上がることができなかった。
そこに響く、乾いた声。
「ハッハッハ~!マタアオウゾ!!」
龍太郎は夢から現実の世界に帰ってきた。
「くそっ!また負けた!!これで、三十六戦全敗だ……」
現在の時刻は、午後一時。
龍太郎は、昼食をとり、リビングで椅子に腰かけ、のんびりとしていた。
不意に、インターホンの音が来客を告げる。
せっかくゆっくりしていたのに、と少し面倒くさそうに玄関へと向かった。
「はいは~い。どなたです……」
ガチャンと音をたて、扉を開いた龍太郎は、急いで扉を閉じた。
「なんだよ~。りゅうく~ん!!せっかくパパが帰ってきたっていうのに~!!」
閉じられた扉を開き、見た目ダンディー、言葉キモイ、龍太郎の父親が入ってきた。
「父さん!!その変な言葉遣いを止めろと何度も何度も言ったじゃないかよ……」
何度言っても直さない父に、半ば諦め気味に龍太郎は呟いた。
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