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「で、いきなり帰って来たのはいつものこととして……。なんか用?」
閉めた扉を開き、入って来た住居不法侵入の男に訪ねる。
「そんなの、りゅうくんに会いたいからに決まってるじゃん!!」
「マジ、キモッ……」
龍太郎は、父に聞こえないように小さく呟いた。
「で、本当は何の用なの?」
海外での事業に忙しい父が、いきなり帰って来たのだから、そんなわけわからん理由なはずは無い。
「……いろいろと、積もる話があってな。まあ、リビングで話そう。ここじゃ落ち着いて話せないだろう?」
突然、息子の前ではおちゃらけている父が、威厳のあるいかにも社長、という話し方になったので、龍太郎はよほど大事な話なんだ、と感じ、父と一緒にリビングへと向かった。
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