日常の一時

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「起きろっ!!朝だぞー!!遅刻するぞー!!」                       ハツラツとした朝の中、突然目覚まし時計の機械音声が鳴り出した。 「う、う~ん」                     眠い目をこすりながらも目覚ましを止める少年、榊龍太郎は、今年で橘高校の二年生になった。 橘高校は県内の高校では上から大体五番目に位置する進学校である。 龍太郎の学力はあまりよろしくないので、入試前の一週間はほとんど徹夜の猛勉強をして、ギリギリで合格した。 龍太郎は、身長百七十を超える長身で、顔はかなりのイケメンだ。 だが、本人は自分がカッコいいという事には全く気付いていなく、モテモテなのだが、持ち前の鈍感さでそれに気付いていない。 今まで彼女が出来た事は無いし、告白されても告白に気付かずに、いつの間にか振ってしまっているという、大変女泣かせな男である。 学校に行くために、心底だるそうに体を起こした。
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