日常の一時

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「龍太郎おはよう!!」 「いきなり抱きつくなよ」 龍太郎が自分の席に着こうとすると、元気いっぱいで可愛らしい女の子が抱きついてきた。 幼なじみの葉月香奈だ。 小学生の頃から、違うクラスになったことはない。 かれこれ、十年は一緒だろう。 「だって~、龍太郎に抱きつくと安心するんだも~ん」 「知らん。いいから離れろ」 龍太郎と香奈が離れろ、離れない、といって言い争っている。 その様子を見た郁馬は、一言。 「仲良いな~、お前ら」 「良くない!!」 「良いでしょ~。えへへへ~」 どうやら、郁馬は爆弾を投下したらしい。 先程より激しい争いになっている。 龍太郎が一人叫んでいるだけだが……。               香奈はというと、軽く自分の世界に入り込みながら、龍太郎の胸に頬を擦り付けている。
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