小説を読むと、学力が少し上がる……らしい

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龍太郎は、打ちつけた顔面の痛みに耐えながら、教室に入った。 「お、おはよう」 「おはようございます」 丁寧に挨拶を返したのは、五組のクラス委員長の仁科朋美だ。 彼女は、真面目で面倒見が良く、明るく誰とでも仲良くしようとするので、みんなから好かれている。 委員長と聞くと、みんな眼鏡をかけているイメージがあるが、そんなことは無く、身長は百六十五位で、スレンダーな体型で足が長く、切れ長の目に、肩まで伸びた艶やかな黒髪で、美しいとはこういう事だろう、と思ってしまう程の美貌だ。 まだ誰も来ていないと思っていた龍太郎は、教室に入ってみると、朋美が電気もつけづに小説を読んでいたので、やや驚きながら朝の挨拶をした。 龍太郎は、いつまでも教室の入り口につっ立っているのもあれなので、自分の席についた。 ちなみに、龍太郎の席は、窓側から数えて二番目の列の後ろから二番目だ。 朋美の席は右隣、ついでに香奈の席は、龍太郎の左斜め前にある。
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