小説を読むと、学力が少し上がる……らしい

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カッカッカッカッ。 「…………」 カッカッカッカッ。 「…………」 カッカッカッカッカッカッカッカッカッ。 「…………」 カッカッカ。 「仁科さんが読んでるのって、なんていう本?」 龍太郎は、時計の針が動く音だけしか音が無いという沈黙に耐えきれず、現在集中して本を読んでいる仁科さんに話しかけた。 仁科さんは本に集中していたが、龍太郎が尋ねると、笑顔で龍太郎の方を向き、嫌な顔一つせずに教えてくれた。 「これは、ただの英和辞書ですよ」 「へぇ~!ただの英和辞書かぁ~……って、何故に!?仁科さんは、英和辞書なんか読んで楽しいんですか?というか、それ以前に、辞書ってそんなに集中して読むもの何ですか?」               何故かテンパりだす龍太郎。               「いえ、楽しくはないですけど。今日は英語の小テストの日じゃないですか。辞書からも出ると、先生が言っていましたので、勉強してました」 「へっ?小テスト?……あ!!」 WA・SU・RE・TE・TA・ZE 「しまった~!!」 机にうなだれる龍太郎。 その龍太郎を見て、苦笑いを浮かべる朋美。 かなりどんまいな龍太郎でした。
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