2115人が本棚に入れています
本棚に追加
時間が着々と進み、教室には、クラスのメンバーが集まり始めた。
いつも通りの時間に登校してきた香奈は、机にうなだれている龍太郎を発見し、飛びつくように龍太郎の隣まで言った。
「龍太郎おはよう!」
「あ~!う~!」
香奈が龍太郎に話しかけるも、龍太郎の耳には届いていないようで、相変わらずにうなだれている。
何があったか分からず、困り果てた香奈は、英和辞書を読み続けている朋美に視線を移した。
朋美は、自分にきている視線に気付き、香奈の方を向いた。
香奈は、無言で龍太郎を指差し、首を傾げると、朋美は言いたい事が分かったのか、英和辞書を指差して言った。
「今日の英語の小テストの存在を忘れてて、勉強をしてないみたいです」
「あ~。なるほど」
理由を聞いた香奈は、苦笑いを浮かべるしか無かった。
最初のコメントを投稿しよう!