小説を読むと、学力が少し上がる……らしい

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時は放課後、帰りのSHRが終わり、部活に行く人、このまま帰る人、教室で友達とおしゃべりをする人などに別れた。 「はぁ~」 「ふぅ~」 約半分の人がいなくなった教室で、二つの溜め息が漏れた。 溜め息の主はもちろん龍太郎と郁馬だ。 全く勉強せずに挑んだ英語のテストは、やはりというか当たり前というか、取りあえず悪かったからだ。 休み時間にちょっとでもやっておけば少しはなんとかなったかもしれなかったが、よりにもよって今日の英語は一時間目だったのだ。 しかも、英語の先生が、チャイムが鳴った瞬間に小テストを開始したという悲劇。 二人とも……ドンマイ!……という事で。 「二人とも~。なんか、廊下も騒がしいし、早く帰ろうよ!」 香奈は、いつまでも溜め息をついている二人に痺れを切らして、早く帰るように促した。 「はぁ~」 「ふぅ~」 しかし、やっぱり駄目だった。
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