小説を読むと、学力が少し上がる……らしい

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「はいはい、早く帰るよ!」 香奈が、いつまでも立ち上がろとしない二人の耳を掴み、思いっきり引っ張った。 「痛い!痛いって!!」 流石に、耳を引っ張られると、痛みでようやく龍太郎は反応を見せた。 「痛い痛い!……でも気持ちいい!!」 変態発言をしたのは同じく耳を引っ張られた郁馬だ。 顔はカッコいいのに、彼女が出来ない理由はドがつくMだからというのもあるだろう。 「ほら、早く帰るよ?」 香奈は、グズグズしながらも帰る用意を終えた二人の手を引っ張り、昇降口に向かった。 いつも龍太郎にデレデレな香奈が、今日は珍しく何か凛々しかった。 「龍太郎さ~ん!」 龍太郎達は、靴も履き替え、校舎から出てきて、今校門を出ようとしたときに、ちょうど昇降口から出てきた真珠に呼びかけられた。 満面の笑みを浮かべている真珠の隣には、少し疲れたような顔をしている瑠璃がいた。
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