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食事をしながら、真珠は、自分達が来る前までの、龍太郎の生活を香奈に尋ねたり、香奈は、真珠達に前の学校の事を聞いたりして盛り上がっていた。
瑠璃は、ほとんど無言でオムライスを堪能していた。
それにしても、いつ見ても瑠璃は美味しそうに食べる。
見ているこちらも、同じものをたべたくなってくる。
食事も一通り終えて、話も一段落ついた頃に、会計を済ませ、店を出た。
もちろん食費は、全額龍太郎持ちだ。
「では、そろそろ帰りましょ~」
「うん」
真珠が家の方角を指差し、宣言するように言うと、龍太郎は、元気なく答えた。
支払ったのはいいが、財布に三百円しか残っていないからだ。
「どうしたの瑠璃?……食べたいって?」
龍太郎ががっかりしていると、服の裾を瑠璃が引っ張った。
龍太郎が瑠璃の方を向くと、瑠璃は、アイスの自販機を指差していた。
龍太郎の所持金残り二百円。
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