2115人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんか、噂ではすみれちゃん、近々芸能界を引退だか、長期休養だかするらしいよ」
龍太郎が、ポツリと言った言葉に、すみれちゃん信者である真珠が食い付いた。
「龍太郎さん!!それは、どういうことですか!?一字一句逃さず、完璧に理解出来るように説明して下さい!!」
「い、いや……なんか、最近のすみれちゃんの人気が高すぎて、仕事の量が多過ぎるから、すみれちゃんがちょっと体調崩しちゃったんだって。だから、療養のために、引退だか、休養だかするらしいよ」
鬼気迫る勢いの真珠の迫力に押され、龍太郎は多少ひびりながら教えた。
「……ぐすっ」
龍太郎の話を聞いた真珠は、一瞬で部屋の隅に移動して、体育座りで右手でフローリングにのの字を書きまくった。
すみれがテレビに出ないのが、よほどのショックだったようだ。
「……」
「……」
「……ぐすっ」
空気がKONISHI○Iより重苦しく、龍太郎も瑠璃も真珠に話し掛けられずにいた。
最初のコメントを投稿しよう!