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「やっと終わった~!!」
六時間目終了のチャイムが鳴り、委員長の朋美が号令をかけると、龍太郎は大きくのびをした。
「疲れたぜ~」
勉強が嫌いな郁馬は、椅子に座りながら大きくのけぞっており、見てるほうはそのまま後ろに倒れるんじゃないかと心配になる。
「はい、席に着け!!さっさと終わらせるぞ~」
いつも通り、美和はいきなり扉を開けて入って来た。
初めはみんな入って来るたびに驚いていたが、毎日同じように入って来るのでもう慣れてしまい、今では驚く人は一人もいない。
「連絡事項は無い。各自気を付けて帰るように!!では…起立、礼。さようなら!!」
朋美がやるはずの号令でさえ、美和は勢いでやってしまう。
あんな豪快な先生は男の人を含めてもそうはいないんじゃないかと龍太郎は思っている。
「ねえ、龍太郎。帰りにどこかでなんか食べよう!」
美和が教室から出て行った瞬間、香奈は龍太郎の所に駆け寄ってきた。
いつもながら、ずいぶん曖昧な誘い方だと思って、少し笑った。
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