出会い

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クラスにも大分馴染めて来た朝。 「おい、誰だよ」 「ほんとに迷惑だろ……」 ドアを開く前から教室がざわついているのが分かった。 「美砂、何だろうね」 「………知らない」 ……? 今、妙な間があった……? 「あー!大樹ー」 「おいーっす」 「なぁ、ちょっと売店行かね?美砂ちゃんも」 「朝からかよー。でも宿題終わってないからやめとくわ」 本当は美砂が何故かこのクラス全体に嫌悪感を抱いているから。 それは決して表立っては見せないけれど。 「じゃあ、図書館行こうぜ。教室五月蝿いし」 「……教室になんかあんの?」 「え?いや、別に」 「………ふーん。じゃあ通して?」 ちょっとの沈黙と泳ぐ瞳。 教室に何かあるのは間違い無かった。
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