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「大樹、今日は帰ろう」
……美砂?
シャツの袖をくんっと引っ張って美砂が俯く。
これは泣きそうな時の癖。
「……っ、じゃ、じゃあ今日提出のレポートだけ出してくるから、ちょっと待ってて」
焦ってパニックになった僕は飛ぶように教室に走った。
そして、そこの光景に息が詰まった。
「………何してんの?」
やっと発したそれに教室に居た全員がこちらを見た。
「ねぇ、何してんの?」
ざわめいた教室に僕の怒りが静かに響く。
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