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｢………頭冷やしてくる｣
教室を出るとのぼせきった体に風があたっていくらか冷静になれた気がした。
佐奈を通り抜けた手で壁を触ったけど通り抜けてはくれなかった。
｢……何だっていうんだよ｣
踊り場で頭を抱えて下を向いていると泣きそうになった。
通り抜けた手が妙に痒くて気持ち悪い。
――ごめんね。
｢……え？佐奈？｣
横には佐奈が泣きながら座っていた。
――美砂ちゃんと喧嘩させてしまって……ごめんね。
｢俺こそ！…………ごめん｣
――何が？
｢……はは。何だろうな｣
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