出会い

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――ねぇ大樹君。 「……ん?」 ――もっかい佐奈に触ってくんないかなぁ? 「……え?」 目が泳ぐ。 鼓動が加速して少し冷や汗が滲む。 ――やっぱ嫌? 「そんなこと無い!……けど」 ――けど? 「怖いよ……」 頭の前に腕を出して隠れるように縮こまる。 君が死んでるなんて確認することが怖いんだ。 ――……ありがとう。 佐奈は笑ったせいで零れた涙をそのままにして僕をただ見つめた。 その光る涙に吸い寄せられるようにゆっくり手を伸ばした。 でもやっぱり震えていて鼓動は強く早かった。 「……っ」 僕の指では佐奈の涙は拭えなかった。 僕は佐奈に触れなかった。
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