出会い

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――はは。佐奈、死んじゃってたんだ。 「……佐奈」 ――全然気付かなかったなぁ。はは。ちょっと頭が追い付かないよ。 次々に落ちる佐奈の涙を僕の指はどうやったって拭えない。 やめて。 やめろよ。 そんな本当に死んでるみたいに透けていかないで。 「佐奈!」 ――大樹く……… 佐奈は最後まで言葉を紡ぐことなく消えてしまった。 確かにここに居たのに。 さっきまで話しをしていたのにもう佐奈のかけらも見付からなかった。 残り香さえも感じられない。
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