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あの人と初めて出逢ったのは高3の春だった。俺達はいつも学校が終わると行きつけの喫茶店でワイワイ騒いでいた。その店にバイトで来る事になったのが弘子(仮名)だった。1つ年上の彼女は就職していたため、毎日店に来るわけじゃなかった。 そんな彼女と最初に付き合ったのは友達のシンジだった。やつは俺たち3人の中で(いつも3人でつるんでた) 一番口が上手く、女がいない時は無いほどの男だった。自分はというと恥ずかしがりやで女の子とあまり上手に話しが出来なかったからシンジの事は何時も羨ましく思った。少したった時にシンジの口から思いがけない言葉が飛び出した。
シンジ「あのさ、俺彼女と別れるよ。」
俺「どうして?」
シンジ「だってあの女、いつもお前の事ばっかり聞くんだよ。 よくよく話しを聞いたら お前の事が気になってたんだとよ。」
俺「…」
シンジ 「俺、何にもしてないぜ。させてくれなかったけどな。」
そう言って家に帰ってしまった。
どうしようかな…
二人で話すきっかけがないまま、時間だけが過ぎて 気が付くと、卒業式を迎えていた。
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