現実と未来

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4月になり初めての社会人。右も左もわからない俺にいろいろ教えてくれたのは弘子だった。会社は違うが社会人では1つ先輩だ。 俺と付き合い始めてからはバイトは行かなくなった。 俺も毎日弘子と逢っていたから、喫茶店にも行かず仲間とも遊ばないでいた。 カーセックス不発事件から1ヶ月ほどたった時、俺の部屋で弘子を抱いた。 友達の中では女を抱くのが1番遅いくらいだった俺は心の中で (やっと大人になれたかな) そう思いながら夢中で彼女を抱いた記憶がある。 付き合い始めて3ヶ月くらいたった時に弘子から 弘子「あのね、結婚して一緒に子供を育てよ。私、若いママになりたいんだ。」 驚いた俺は 「ちょっ ちょっと待って。まだ働き出して3ヶ月くらいしか経ってないし、お金もない、そんな状況じゃ結婚しても上手くやれないよせめてあと1年してからにしようよ。な!」 女の人はどう思うかわからないが俺はまだ自信がなかった。現実難しく家も貧乏だったため、思いきって2人の未来に足を踏み出せなかった。俺の返事を聞きおわると弘子は遠くを見ながら、「わかったわ…」「待ってるからね」そう言い残すと淋しそうな顔して帰って行った。
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