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『ねぇねぇ、やっちゃんといい感じなのに、会ってみたいと思わないの?』
やっちゃんと俺の共通の友達から
こんなメールが届いた。
会ってみたい気がして
実はそんなメールをしてみた…とは言えなかった。
その共通の友達はいつも言うんだけど。
『なんで男と女が会うっていうと、みんなエッチなことばっかり考えるの?』
だって
なんか
普通はそうだろって言いたくなったんだけど
すっげぇ
気の強いその友達は
俺に反論する時間も余裕も与えない。
『私は別に、既婚者が誰かを好きになることは否定しないけど…』
けど…
なんだ?
『それは…、家庭は絶対壊さない、秘密は絶対しゃべらないって前提のもとで…』
そんなことわかってる。
だけど
俺は別にやっちゃんとそんなふうになりたいとは、思ってない。
『でもさぁ…』
この友達はよくしゃべる。
『異性でも友情って成り立つよ。実際、私とマサトって、友人関係でしょ?』
確かに…。
男同士とは違うけど
これは友人関係だ。
たまに会ってお茶したり、呑みに行ったり…
俺はエロい話もするけど
こいつは女のくせに
俺の話にくいついてくる。
『それに、私は女友達より男友達のほうが話しやすいことが多いよ。男ってさ、女みたいに妬みや嫉妬がないから、まっすぐな意見を言ってくれるんだよね』
そんな意見
俺も言いたいけど
言わせてくれない。
俺はいつもこいつに
ボキャブラリが少ないとか言われる。
『マサトはボキャブラリが少ないけど…』
ほらきた!
『それって優しいからだよ。だから相手の気持ちを先に考えるから、強く言えないだけだし、言葉を選んでるだけで、言葉を知らないわけじゃない』
今度はほめごろしか!
『気の合う友達に、男女の差はないよ』
そうかなぁ…。
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