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ちなみにまだ何か言っているが聞く気にもならない。
何しろこの一週間、言っている事が全く同じなのだ。もう僕もシアも緊張感が無くなってしまった。
「今日はシアの当番だよね?」
「うーん、いい加減飽きてきたんだよね?いっそ全員殺してもいいかな?」
「一応殺さないように。無闇な殺生は駄目だよ。」
「うん、了解♪」
・・・注意される事も、シアにとっては喜ばしい事らしい。
愛されてるな、僕。
「何いちゃついてるんだテメェらはよっ!?」
「どうせ俺に彼女なんていないさ、だから何だって言うんだ、彼女がいるのがそんなに偉いのかよっ!?」
「俺の恋人は右手、愛人は左手だコノヤロウっ!!」
あ、これは新しいパターンだ。
聞いてるこっちが悲しくなりそうだけどね。主に最後の。
「憐れみの目で見てんじゃねえよっ!!」
怒りが限界に到達したのか、目を血走らせた非モテ男がナイフを片手にシアに襲いかかる。
右手にナイフを構えているが、何故か左手の動きが怪しいのは何故だろうか?
「一万年と二千年前から貴女を愛してましたーっ!!」
ドサクサに紛れてカミングアウトしやがりました。
しかし相手がシアだと・・・
「キモいっ!!」
・・・あぁ無情。
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