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「襲撃者達への尋問ですが、皆口を閉ざしたまま、何の情報も得られていません。」
翌日、僕は執務室で報告を聞いていた。騎士団長ネリー・ガーランド、女性でありながら団長の地位に立つのは、純粋な剣術の腕によるものだ。
割と単純な性格だが、逆にその性格は好感が持てる。
「・・・そう。せめて何か情報が得られればいいと思ったんだけど、上手くいかないな。」
シアを筆頭に関係者全員から、丁寧語は禁止されているので、こういう話し方になった。
さて、一応確認したい事があるからね。
「ところで、ネリー。」
「何でしょうか?」
「結局首謀者って誰?」
「はい、それは・・・って、私は何も知りませんよっ!?」
・・・はい、ビンゴ。
推理小説にも使えない犯人当てでした。
この一週間、あまりに警備が穴だらけなのだ。つまり、誰かがそうなるように指示した。
そんな事を簡単に出来るのは、城の警備計画を考えている騎士団長、つまりネリーだ。
しかし、予想通り腹芸とか無理な人だね。人じゃなくて悪魔なんだけど。
「わわわわ、私は何も知らないですよ?知らないでござるですますよっ!?」
「ネリー落ち着いて、語尾とかとんでもない事になってるからまずは落ち着いて。」
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