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雅樹
「紗耶ぁ!
あっち行こうぜ!
あっちで二人で遊ぼうぜ!」
紗耶
「あとで」
雅樹
「………そか」
断られ、軽くショックを受ける俺…。
ちくしょう…。
なんだか声だけ聞くとすげー楽しそうなんだよな。
翠
「ちょっとなにしてんのよ!
さっさとしなさい!!」
雅樹
「………」
そんなこと言ったってなぁ…。
興味津々状態の紗耶を止めるのは、不可能に近い。
つまり無理だ。
……しかし!
俺はあきらめない。
師匠に教わったことの数々を思い出してみるんだ…。
雅樹
「紗耶ぁ……。
俺と二人で遊ぶのは嫌か?」
押してダメなら引いてみろ。
引くことにより、またちがった反応が見える、はず……。
紗耶
「……ちがう…」
そらきた。
紗耶はもう俺のペースだ。
雅樹
「俺のこと嫌いなのか…?」
紗耶
「…嫌いじゃない」
もうすこしだ…。
雅樹
「じゃあ俺のこと好きか?」
紗耶
「ん」
もうすこし…。
雅樹
「よし!
じゃあ俺とあっちで遊ぼうぜ!」
もうすこ………。
奈緒
「きゃ、きゃぁあ!?
下はダメぇ!!」
下……?
した………。
雅樹
「し、したぁぁあ!!?」
翠
「なにこっち見てんのよ!!!」
雅樹
「ぐふぇっ!!」
もう…すこ……し………。
ラムネの瓶はないだろ…。
瓶は……。
………
……
…
雅樹
「紗耶!!
いいか!そこ座れ!!」
夜。
別荘に帰り、皆それぞれ自由行動になる。
奈緒と紺は料理をするためキッチンへ。
弥生と鈴音は、なにがあったか知らないが爆睡。
翠と琴音は風呂。
怜はみんながちゃんといるのかを確認するため、見回りに行った。
そして俺は、氷の入った袋を額にあて目の前でぼーっとしている紗耶にお説教を開始。
雅樹
「座れ!」
紗耶
「………」
座らない。
雅樹
「座って?」
紗耶
「………」
そんな顔するなよ…。
雅樹
「はぁ……」
代わりに俺が、近くにあった椅子に腰掛ける。
雅樹
「座れ」
膝を叩き、紗耶を誘う。
紗耶
「ん」
ヒョコヒョコと近づいてきて、ピョンッと座る。
素直な子だ…。
ため息が止まりません。
雅樹
「紗耶。
いいか?よく聞けよ?」
紗耶の頭を撫でながら、お説教タイム開始。
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