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あの時と比べると、十分立派になった。
そしてこれからもどんどん強くなっていく。
それに紗耶を独りぼっちになんか、この俺がさせるわけねぇだろ。
雅樹
「さぁーって」
俺も立ち上がり、伸びをする。
雅樹
「風呂でも入るか」
ちょうど今は男子が入る時間だし、でっけー風呂で疲れを癒や……。
雅樹
「…………おう!?」
………。
……。
…。
弥生
「きつねせんぱーい」
紺
「あ、起きたんだ」
弥生
「せっかくのバカンスなのに、
いつまでも寝てるわけにいきませんから」
琴音
「鈴ちゃんは?」
弥生
「まだ寝てますぅ」
琴音
「そ…そう……」
弥生
「そんなことより!
紗耶ちゃんを見ませんでした?」
紺
「紗耶を?」
弥生
「はい。
一緒にトランプでもしようと思って部屋に行ったんですが、
いなかったんですよぅ」
紺
「見てないなぁ…。
お姉ちゃんは?」
奈緒
「ごめんね。見てない」
翠
「あたしも」
弥生
「どーこ行ったんでしょうね…」
琴音
「お風呂は?」
奈緒
「あ、お風呂は雅樹だと思う。
さっきすれ違ったとき、
タオルとか持ってたから」
紺
「ふ~ん…先輩……」
翠
「……………ねぇ」
弥生
「はい?」
翠
「紗耶って、
この旅行に来たメンバーの中で誰に一番懐いてると思う?」
奈緒
「それは雅樹でしょ?
今日だってずっとくっついていたし……………ん?」
翠
「雅樹は今どこにいるっけ?」
弥生
「あ……」
紺
「まぁ、
そう考えるのが一番ですよね」
琴音
「え?なにが?」
紺
「あははは」
奈緒
「………」
弥生
「………」
翠
「………」
琴音
「えっ!?なになに!?」
………。
……。
…。
雅樹
「ふぃい~。
いい湯だなぁ……」
紗耶
「ん」
雅樹
「いいか?
しっかり100数えるんだぞ?」
紗耶
「んー…。
いーち、にーい、さーん…」
「こるぁあ!雅樹ぃい!!」
ピシャッ!!
戸が勢いよく開く。
紗耶
「………(ビクッ」
雅樹
「びっくりしたー…。
なんだよいきなり……」
翠
「『なんだよいきなり…』
じゃないわよ!!
あんた自分が今なにしてるのかわかってるわけ!?」
雅樹
「………」
それはそのまま返したい。
殿方の入浴中に、いきなり乱入してきたやつが言うセリフではないよな。
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