8月7日(木)【紗耶】

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8月7日(木)【紗耶】

~♪~♪   雅樹 「もっしもーし」   電話 【隠しているのはわかってるんだぞ。さっさと出せ】   雅樹 「いきなり脅迫!!?」   電話 【………】   雅樹 「いや…そこで黙られても…」   電話 【そこにいないのか?】   雅樹 「だからなにが?」   電話 【紗耶】   雅樹 「紗耶? いねーよ。 だいたい紗耶は補習だろ」   電話 【その補習にも来てないんだ】   雅樹 「え……?」   電話 【昨日と今日で2回目だぞ】   雅樹 「俺はてっきりちゃんと行ってるのかと……」   電話 【夏希せんせ。 誰と電話してるんですか?】   電話 【男かな! 恋人かな!】   電話 【お姉さまの恋人!?】   電話 【うるせぇー! 黙って渡したプリントをやってろ!】   雅樹 「………お疲れさまです」   他の3人はマジメに出ているみたいだな。   電話 【……で? 紗耶をどこに隠した】   雅樹 「だから俺じゃねーって」   電話 【………】   雅樹 「怜のとこは?」   電話 【いるわけないだろ】   まぁ……そうですけど。   雅樹 「じゃあ空羽のとこだ」   電話 【………ん~】   雅樹 「電話してみたか?」   電話 【空羽はケータイ持ってない】   雅樹 「兄貴の方にかけてみればいいだろ」   電話 【………仕事中だろ】   迷惑はかけたくない、と…。   雅樹 「じゃあどうしろと…」   電話 【探してこい】   雅樹 「俺がかよ!?」   電話 【あたりまえだ。 お前はあいつの保護者みたいなものだろ】   雅樹 「んなこと言われてもなぁ…」   電話 【心配じゃないのか?】   雅樹 「心配に決まってるだろ」   電話 【じゃあ他に用事でも?】   雅樹 「………お袋と、 晩飯の買い物に行く約束を……」   さっきお袋と『暇なら一緒に買い物に行こっかっ』っていう話になりまして…。   電話 【………】   雅樹 「えへへ…」   電話 【探せ、タコ】   雅樹 「強制っ!!?」   ………。   菜穂子 「えー…雅樹お買い物行けなくなっちゃったの…?」   そ…そんな母親のくせに、妹みたいな声を出さないでくれよ。   雅樹 「ぐ……すまないお袋! やらねばならぬことができた!」   菜穂子 「大丈夫よ。お買い物はいつでもできるもの。だから、 雅樹は今、雅樹のやるべきことを頑張りなさい」   雅樹 「お袋ぉ…」  
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