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8月2日(土)【紗耶】
鈴音
「ねーねーねー。
先に食べちゃおうよぉ~」
琴音
「ダメだよ。
みんながそろってから」
弥生
「あと雅樹先輩と、
紗耶ちゃんだけですよね」
怜
「………僕すっげー嫌な予感がするんだけど…」
翠
「はぁあ…。
お茶が美味しい…」
紺
「おねーちゃぁん。
私もお茶。
愛情たっぷりでお願いね」
奈緒
「はいはい」
弥生
「雅樹先輩呼んできまーっす」
鈴音
「あ、ボクもー」
………。
……。
…。
雅樹
「うおっ!?」
朝、起きて一番に目に入ってきたのは紗耶の顔だった。
俺と向かい合う形で、スースーと気持ちよさそうに寝息をたてている。
しかも俺の手握ってるし……。
そうか…。
昨日はあのまま寝ちゃったんだっけ…。
紗耶もそのまま……。
雅樹
「んっ……しょ」
起き上がり布団の上に座る。
このまま寝かしといてやりたいが…きっと下でみんなが待っているだろう。
雅樹
「さぁ~やぁ~」
握っている手をブンブンと振ってみる。
紗耶
「………(スースー」
反応なし。
雅樹
「おいおい…」
安心しすぎだぞ…。
今ここにいるのが俺じゃなかったら、絶対になんかされるぞ。
雅樹
「はぁ…」
まぁしかし…。
こうマジマジと見ると、本当に子猫だな。
なんかすっげー癒される…。
雅樹
「うりうり」
頬をつついてみた。
紗耶
「……んっん…」
眉がピクッと上に動く。
雅樹
「うりうりうりうり」
紗耶
「………んん」
ぴくぴくぴくぴく。
雅樹
「………」
可愛いやつだ。
雅樹
「っは!!」
和んでいる場合じゃない。
この状況を翠や奈緒に見られたら大変だ。
雅樹
「おら紗耶。
朝だぞー」
肩をゆさゆさと大きくゆらす。
紗耶
「ん……んんー」
ゆっくりと瞼がひらく。
その奥から蒼く透き通ったきれいな瞳。
寝起きですこしぼやけてはいるが……。
雅樹
「はよー」
紗耶
「…………はよ…」
目をこすりながら体を起こす。
………が。
こてっとそのまま前に倒れ、俺の膝の上に頭が乗る。
雅樹
「おーい」
紗耶
「んー…」
すりすりと頬ずり。
まさに猫!
だからそんなことされると、ついつい撫でたくなってしまうのではないか…。
雅樹
「………」
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