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ゅ
「行け」
『…はい…』
私はその女官を偵察に行かせる。
彼女が通った後には、ひらひらと蝶が舞う。
昼間ではないのに、彼女もその蝶も、有り得ないくらいに光り輝き、驚く程静かに去った。
《一人で行かせたのか》
私の背後から響く声音。
その者は白…いや、銀の髪をした、まだ年若い青年。
「……あやつは女の念の魂だ」
《甘いな》
その者は私の言葉を遮り、否定した。
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