‡月影-getsuei-‡

「…そうだな…」

私はそっと溜め息をつく。

裏切った男を呪って堕ちた

哀れな女……。

「…私には　まだ救えない─…」

例えどんな事があっても…

まだ………。

《……馬鹿か》

ちっ、と舌打ち、銀の髪を靡かせながら私を見る。

　今はまだ　出来なくとも

「…云ってくれるな」

腰まで伸びた私の髪もまた、微風で靡く。

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