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ようやく和久はこちらを振り向いた。
スーツには金バッチが輝いている。
「はぁ。ヤクザが素人に喧嘩なんかうって。負けたら看板汚れるぞ?いいのか?」
「アホ。あんなとこ今やめたわ。」
「お前は根性ないもんなぁ。祭りでワタアメ売ってるほうが似合ってるわい」
僕はゆっくりとポケットからナイフを取り出した。
「これ終わったら指もってくんだ。お手柔らかに頼むわ」
和久はゆっくりとポケットからメリケンサックを出した。
しーんと誰もいない駐車場に静けさと殺気が漂う。
「死ねやボケェ!」
和久がセリフとは似合わぬ満面の笑みで僕のほうに走ってくる。
僕は思い切りナイフを握りしめた。
「お前が死ねや!くそったれー!」
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