優秀

6/29
前へ
/169ページ
次へ
「それはそうと。こんな人気(ひとけ)もない所で何をしてるんだい?」 そう。ここは『聖CS学園』 手っ取り早く言えば召喚師養成学校である。 規模はそこらの貴族が通う学校とほぼ同じ大きさで、生徒たちは召喚師見習いとして、ここで召喚師としての知識や技術を学ぶ。 白と紺を基調に造られた、滑らかな曲線を描く美しい建物は、その古い歴史を全く感じさせることなく、昼間はたくさんの生徒たちで溢れている。 しかし、放課後ともなれば人の気配をあまり感じさせない程。 静かな夕日が小さな中庭の草花を優しく橙に包む。 「見れば分かるだろ?召喚の練習をしてるのさ」 そう言いながらまたしゃがみ込み、地面に魔法陣を書き始めた。
/169ページ

最初のコメントを投稿しよう!

425人が本棚に入れています
本棚に追加