第一章 赤き炎 白き光

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殺伐とした戦場を、一陣の風が吹き抜ける。 金属のぶつかり合う独特の音と、爆音が響いている。 この世界の二大国家、シェリング帝国とロートシルト皇国。 昔から両国の間には争いが耐えなかった。 しかしそれは、シェリング帝国側の一方的侵略によるものである。 『イスタニア平原』 両国の国境付近に位置する荒野。 「第二歩兵部隊進め!今が好機だっ!」 「歩兵部隊に続き、近くの第七魔法戦術隊は援護をしてやれっ!」 「オオォォォーー!」 部隊長らしき人物の言葉に士気が高まる。 「皇国の奴等め、無駄な足掻きを!」 「第三魔術戦闘師団、詠唱を始めろ!上級魔法の同時発動で消し炭にしてやれ!」 「ドゴォォォォンン!」 耳を劈くほどの爆音が、皇国軍側で鳴り響いたその時・・・。 辺りが眩く光り、魔法による爆発を全てかき消した。 そこには、燃えるような赤い髪を靡かせ翠の瞳を持つ少年と、神々しい光を放つ少女が立っていた。
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