その④

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『うおおぉぁぉぉぉ!』 雄叫びがする 人が人を切り合い 撃ち合う 何時間続いたのだろう もしかしたら何日かもしれない 切れる事無い血の嵐が、果てしなく続く 俺達は敗れた 俺の体は刀傷で 右肩から左の腰まで 切られている 「これは…助からねぇな」 自分でも分かるくらいの大傷だ くすんだ空を見上げ 血の匂いがする戦場に 俺は散る。 「しかし…痛い…っ!」 「死ぬ覚悟は持っていたが…」 「これは痛すぎるぞ…」 それはそうだ、 馬鹿でかい刀傷は 黒く染まり 血を固めようとは 俺の体がしてるとはいえ 遅すぎる。 そんな時… 人の気配がした 残党狩りか? 「死んでますか?」 馬鹿な質問をしてくる 死んでたら言葉に出来んだろうが… 「いっ…生きて…いる、が…すっ…すぐ、死…ぬかもな…」 「こ…殺…した、きゃ…殺せ」 精一杯声を出しこの痛みからすぐに死ねるように 俺の存在を声の主に教えた。 声の主はすぐに気付き 近くまで来た 「大丈夫ですか?」 馬鹿な質問は無視だ! 見たらわかる大丈夫な訳が無い! さっさとやることやってくれ 俺は願った しかし そいつは見た事の無い 服装、そして髪の色だった。 そいつは手際よく俺の体に何かを塗り 俺をどこかに運んで行く 俺は動かされた痛みにより 意識が少しハッキリしそして少しずつ無くなっていく…
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