その②

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目を開ける。 目を開けれる事が不思議だったが… 開けれるのだから開けようと思った 真っ暗。 目を閉じているのと変わらない 真っ暗な世界 本当は目なんか開けてないんじゃないかと思うくらい真っ暗 辺りが真っ暗だから思い出して来た…あの光景。 不思議と悲しみは無かった 死を受け入れ 生を捨てた時から もう人では無いのかも知れない フト真っ暗な世界に 場違いな温かな光 そう…あの時と同じ温かい光… また声が聞こえてくる… 今なら分かる。 あの光から声がしていた。 『生を捨て死を受け入れし者よ…』 『汝に今一つの問いを』 『今は生きていると思うか?』 …考えた。 あの状況から生きているとは思えない しかし現にここにいる 「わからない」 そう答えることしか出来なかった… 『素晴らしい解答だ。嘘をつかず見栄も張らず、ただ真実のみの解答だ』 『…答えはお前は死んでいるよ。ただこれからまた生きているフリはしてもらうがね。』 意味がわからない、 生きているフリ? 「死んでいるのだから生きているフリもないだろう」 素直な疑問が口から出た 『まぁ聞け。お前はこれから人間から死神になってもらう、ただし見習いだがね』 『お前が日常を過ごし気に入らない奴を消せばイイ』 『期間は一年。自分の正義の為に使うか欲の為に使うかは自由だ』 『異義は認めん』 『使い方は今から世界に戻ればお前の背中には鎌がある。それは人間からはみえん。それと鎌に付いている布で覆えばお前も消える。』 『後は自分で考えろ』 そう言って光は消えた。 その瞬間!世界が歪んだ………
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