第一章

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敦は今までとは違う、男っぽい奴で一筋縄では行かなそうなところがあたしをチャレンジャーにさせた。 休み時間、手紙、電話、通用しない。『おまえの手口は知ってるよ』とでも言いたいかのようにスルーしていく。 でも、そんなのへっちゃら。敦は本気なのって気持ちを全面に出す乙女になっていた。最終的に敦はあたしと付き合った。 部活一筋の敦にあたしは不満だった。 休みがない。一緒に帰れない。寂しさのあまり別れた11月。 そのあと、めずらしく3日くらいは悲しみにくれた。 みんなもめずらしいと噂してる。でも、こんなんで終わる訳無いって言ってる。 小学校から一緒で、同じクラスになってから、よく話してた健と隣の席になった。 授業つまんねー学校つまんねーっつまんねーつまんねーってふたりで話しててよく恋話もした。 健はすごく純粋で、今までのあたしのことを知ってるし『おまえもちゃんと恋しなよ!』なんて説教もされた。 好きな人がいない学校なんて本当に本当にまったくつまらないものだった。 そんなとき、きっと学校で1番の人気ものだった上野先輩軍団と公園で会う。 『何してるの?うちの子だよね?』 なんで知ってるのかわからないし、なんで話してるのかもわからないけど、『はい』って返事から話に交ざる。 携帯番号を渡されて話すようになる。それからは知らない先輩たちともよく話すようになっていた。 何日か過ぎたころ、また遊びに行くとなぜか健がいる。 なぜ? 上野先輩の幼なじみの不良の樹が健と仲良くなったからだった。 あたしも樹とは幼稚園からの付き合いでよく知ってる。 それから健はみるみるかわった。 髪の毛も金髪だし、ズボンはサイズでかくなってるし、ピアスがあいてるし。 健に対する上級生からの『けんちゃん』『けんちゃん』と黄色い声援に具合が悪くなった。 しばらくして健が上級生と付き合った。学校に行きたくなくなった。 淋しくて。 悲しくて。 落ち込んだ。 で気付く。健が好きなんじゃん。 気付いたらさらに落ち込んだ。 こんなのはあたしじゃない。彼女がいよーが関係ないのがあたし。またチャレンジャーになったのだ。
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