第一章

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今までとは全然パターンが違くて体が動かない。頭を使う恋愛なんて初めてだから。 どう出ようか? 悩んだ後 『好きになりました』 と、電話した。 健はびっくりしたあと 『俺は彼女もいるし、おまえはまたすぐ違う男にいくんだろ?』 と返って来た。 普通ならショックだろう。 でもあたしは 『そこが心配なのね』『そこがダメなのね』 と次の日から大変身した。 上野先輩たちに交ざらない。帰りはまっすぐ帰宅。夜も出歩かない。たまに部活にも顔を出した。 電話もよくしていた。あれから好きだって言ってない。自分の誠意が伝わるまでは言えない。 まだきっと信用されてないから。 我慢すればするほど、好きなんだって日に日に自分が認識していくのがわかった。 健が別れたと聞いたとき、恋のワクワクが、ドキドキ、ザワザワに変わった。 もう、いてもたってもいられなかった。 別れたことを聞いて、すぐ健のとこに行くと健はゲタバコの前に座ってた。 一回大きな深呼吸したあと泣きそうなあたしを見て 『俺おまえが好きみたい』って健が笑う。 あたしも笑った。 その日は手をつないで帰った。
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