第一章

6/9
前へ
/47ページ
次へ
『今度は健と付き合ったみたい』 噂が広まった。 『彼女から奪ったみたいだよ』 とも噂が広まった。 そんなの痛くも痒くもない。本当の恋を手に入れたんだから。 毎日がしあわせだった。 学校では一緒にいて一緒に帰って家では何時間も電話をして。毎日が健なしではいられなくなった。 一緒にいたくて夜、何度も家を抜け出しては健と会ってた。後先考えずに家出もした。そのたび、ひきずり戻されて、怒られた。あたしのそんな行動から、健との付き合いはよく思われなくなり、健自体をよく思われなくなった。 親ってそんなもん。 2年のクラス変え。 あたしはまたまた6組。健太は3組。離れて寂しくなった。 うちのクラスは馬鹿の吐き出めみたい。 6組はそうゆうところ。 相変わらずの毎日がつづく。 同じクラスに学校で有名カップルの龍治がいた。彼女の愛美は3組みたいで話が盛り上がる。 お互いの愚痴を言い合う。 妙な親近感が生まれていた。健には言えない愚痴。くだらないのろけ。相談に乗ってもらってたからだ。龍治からも同じだった。 それは愛美、健も同じだったみたい。 もつれていくのは時間の問題だった。 九月にある自主研修が鍵となった。 龍治とあたしは同じ斑に。愛美と健も同じ斑になった。 最近、親が見張っていて、電話もできてない。休み時間もどれくらい一緒にいないだろう。 だいたい休み時間は龍治と遊んでて健は後回しになってた。 健は怒っていた。 愛美も同じ。 休み時間にこれみよがしにベランダで愛美とはしゃく健を何度も見た。 おたがい様なのに龍治もあたしも許したくなかった。 龍治も愛美も、あたしも健も、お互い、意地の張り合いみたいになってた。相手への当て付けなのか、本当に好きなのかがわからないまま、関係はますます悪化した。 そのうえある事ない事を周りが吹き込む。 まだガキで冷静になれないあたしたちは時期を見計らって計画をたてた。
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

200人が本棚に入れています
本棚に追加