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窓から流れ込む太陽の光に目が覚めた。
「う…ん…」
目を開けるといつもの天井が見えた。
自分の家、自分の部屋、自分のベッド…―
しかし、この家での自分の扱いは素っ気なかった。まるで自分が割れやすい陶器か何かかと思ってしまう…。温かみなど微塵も感じない家での生活…。何度この家を出ようとしたことか…。
しかしその度に係り付けのメイドに見つかってしまう。
共犯を見つけないとこの家からは抜け出せない。しかし、青年―清廉 葉(セイレン ヨウ)はこの家では天涯孤独と言っても過言ではないくらい味方が居ない。
―…この家では俺は清廉家繁栄の為のただの道具だ…―
味方なんて表面だけだ。毎日そう葛藤して自分を保っている。そうしなければたちまちこの座―清廉家当主の座を狙っている者に漬け込まれるだろう。そうなったら自分の居場所が判らなくなってしまう。
そんなことをグダグダ考えているとドアがノックされた。
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