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ゾッとした。
なぜならその端整な容姿の表情は見る者を凍りつかせる程、冷たかった。
「はじめまして。」
その声も背筋が凍りつく程、冷たかった。
どうも葉はこの男のことを好きになれそうもなかった。
「…はじめまして。この度は、わざわざ御越し下さりありがとうございます。」
形通りに挨拶を交わす。
「自己紹介がまだでしたね。私は高円寺 幸隆です。」
「よろしくお願いします。私は清廉 葉です。どうぞお座り下さい。」
言うと高円寺は「御言葉に甘えて」と言い椅子に再び腰掛ける。葉も自分が座る椅子に腰掛ける。
「今日ここに御越し頂きましたのは例の件についてなんです。」
最近、何故か清廉グループの功績が上手く上がらないのだ。そこで清廉グループより力のある高円寺グループと商談をすることで売り上げを上げようと図ったのだ。
「…はこれで良いですか?」
今のところは商談が上手くまとまっているがこれからどういうトラブルがあるかは分からない。なので、未だ気が抜けない。
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