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病室に戻ってきた俺たちは一応、病名も判明して治療方針も決まり、みんなで力を合わせて頑張るぞみたいな空気が漂っていた。
不思議と暗くはなかった。
ただ彼女が何か怒っていた。
「どうしたの?なんで怒ってんの?」
「だってさぁ、あんだけ大事な説明受けてて、こっち側が真剣に病気と治療の説明を聞いてる時に、主治医の隣にいた若い先生、居眠りしてるんだもん!!」
「えっ!まじで!俺気が付かなかったよ」
「私、頭に来てずっと睨んでたら、主治医が気付いてテーブルの下で若い先生の足をトントンって叩いて起こしてたんだよ!ありえなぁい」
確かに居眠りとは酷すぎる!夜勤明けなのか寝不足なのかは知らないが、白血病を告知されてる家族の前で失礼極まりない。
この先不安にもなったが、まずは治す事に専念して、今回の
『居眠り事件』は
流す事にした。
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