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痛い事されるんだぁと思いながら、六階に上がり案内された615号室は個室で、壁には大きな空気清浄器が付いていた。
早速着替えて検査の時間まで待っていた。
父も、自分の息子が白血病になった事に対して動揺したのか落ち着きがなく、外に煙草を吸いに行ったり、廊下をウロウロしていた。
一方、彼女は違っていた。「大丈夫!今は治らない病気じゃないんだから」
と余裕さえ感じさせた。こんな時は女性の方が、どっしりと構えて居られるのかも知れない。
そんな彼女の言葉が、その後の入院生活において、かなり勇気づけられパワーになった事か!とても言葉では言えないくらい感謝している。
用意を済ませて待っていると、名前を呼ばれたので向かい側の処置室に入っていった。
「今からマルク(骨髄を取る)やります。」
ベッドに仰向けに寝て、胸に麻酔をした。
「これ痛いですかぁ?」
と先生が言う。
同時に胸骨にカツンカツンと何かが当たる。
「いえ、痛くないですよぉ」
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