4724人が本棚に入れています
本棚に追加
ビクッ...
弘樹の目にようやく、涙を流し、自分を軽蔑するかのような目で、震えながら見ている美穂の姿が映った。
弘樹「美穂…!!!ご、ごめん。俺……」
美穂は俯いたまま何も言わなかった。
弘樹「なぁ、美穂…」
弘樹はそっと美穂の肩に手を伸ばそうとした
美穂「…帰って」
ドクン.......
弘樹「えっ…」
美穂に伸ばした手が、震えてくるのがわかった。
弘樹「……」
弘樹は立ち上がり、部屋のドアのぶに手をかけ、振り向かずに言った。
弘樹「美穂、ごめん。そんな、恐がらすつもりなんてなかった…。ただ……ごめんな。」
そういって弘樹は静かに部屋を出て行った。
一人になった美穂。
怖さと悲しさ、なにより弘樹にとって自分は、都合のいい存在なのではないか…
そんな虚しい感情が押し寄せ、ただただ涙を流すことしかできなかった。
最初のコメントを投稿しよう!