2人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
男の、上から目線口上はまだ続く。
「可愛らしい顔して、女の一人旅とは感心しねぇ。こう暑くっちゃ、背中の大剣も、歩く度に重さを増してくってもんよ。どうだ、ここらで荷物を降ろしちゃ?」
要は、金目のある私の愛剣を渡せ、と、そう言ってるわけね。
私は伏せていた顔をあげ、言う。
「やだ」
この台詞も本日何度目か。
そして、またまた何度目か、これまでに会った輩にしてきたように、砂よけフードの前を開ける。
腰に提げた、2本の剣を見せる為に。
最初のコメントを投稿しよう!