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思い出国の人々
思い出国の人々
風が吹く丘
丘の下の木
木の下の木漏れ日
木漏れ日の中で君を待った
雪どけ。
舞い散る花びらの中
温かい春の陽射しを浴び
新しい季節を感じながら
夏。
何処までも澄んだ果てしない空を見た
雲間から見える光輝く星に願いを託し
秋。
すべてが秋風と共に茶色い景色へと姿を変え
命豊かな世界は静寂に身を包み込んだ
冬。
白銀の美しい世界を君に見せたかった
冷たい粉雪降り注ぐ遊歩道を君と歩きたい
どこまでも・・・
ふたたび春。
僕は木漏れ日から出て歩き始める
君はもう僕の世界にはいないのだから
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