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『…………。』
俺は新しいカゴを取ろうと手を伸ばす。
ガシッ…
『……………。』
男が俺の取ろうとしたカゴを上から押さえ、俺の手を掴み
「名前………、教えて。」
『…………?』
何だこの男……、なんか声がスゲーいい声っていうか、腰にくる……。
一瞬ほうけて無言で突っ立っていると
「俺の名前、石橋充(イシバシミツル)、黒焔の三年。」
(先輩か………)
「……名前。」
『………津山直樹』
自分でも情けないぐらい小さい声で呟くと
「津山直樹…、直樹か。いい名前だな。」
しっかり聞き取ってくれた石橋先輩は、俺の名前を褒めてくれた。
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