友達

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AKAITOは自己中で俺様気質だ。一般的にゃあ嫌われる性格だろうが、あたしは寧ろ嬉しかった。かと言うあたしも俺様体質ってわけだし何よりも話しやすい。 お陰で少しずつ知らない場所にもAKAITOとなら行けるようになった。 怖くない、恐れない。目の見えないあたしを可哀想に思う奴なんて動じなくなった。また今日も知らない場所へと足を運んだ。 AKAITOの澄んだ歌声と共に、 そんな時だった。 知らない匂いの道を歩くと体が大きく揺れた。…少し、痛い。 「わあっ!ご、ごめんなさい!私の不注意です!本当に、本当にごめんなさい!」 柔らかく優しい匂いと、高くも凛とした声が響いた。……ああ、コイツは“女”だ。 うちのメイド以外の女は久々に聞いた。メイド達は妙に甲高くて甘い声を出す。それはあたしに媚びているからだ。あたしに媚びるとクソ親父が給料を上げてくれると勘違いする馬鹿共ばかりで嫌気が走る。目を見えないからと何を勘違いしてか髪を梳くときや着付けるとき、嘲笑ってやがる。気付いてないと思ってるが、あいにく聴覚や思考は良い方なんでね。バレバレだっつーの。 そんな下品なメイドのお陰で女は大嫌いだ。…けど今ぶつかって来た女は違った。よく分かんねーけど“あたたかい”感じだ。それでいて芯は強い。 ああ、コイツとならあたしは仲良く出来るかも知んねえ。 「どこ見て歩いてんだ!もっと気持ち込めて謝れ!」 「AKAITO、やめろ。たかがぶつかっただけだ。そんな声を荒げて怒鳴るこたーねえよ」
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